れもんの場合(その1)


【 俺 】非常に困った。
【れもん】いいから・・ほらぁ・・。
【 俺 】い、いや、耳掃除も自分で出来ますし。 爪も1人で切れます。
【れもん】知ってるよ。 でも、私がしてあげたいの。
【 俺 】結構です。
【れもん】どうしてぇ? おかしいでしょう・・?
【 俺 】(俺の耳掃除をするのを、当然の権利と考えてるのがおかしい)
【れもん】ねぇ、☆☆☆ちゃん? どうしてそんなに冷たいの?
【れもん】やっぱり、1人暮らしなんてしたから・・。
【 俺 】いえ、何も変わってません。 普通です。
【れもん】誰がみても普通じゃないよぉ? もっと、甘えていいんだよ・・?
【 俺 】・・・。
れもん。 あぁ・・れもん姉さんよ。
あなたはどうしてそんなに過保護なのですか?
本来は、もっと節度を保った女性のはずなのに、どうして俺のことになると・・。
【れもん】ほらぁ、こっちにいらっしゃい。 膝枕しないと耳掃除できないでしょう?
ひざをトントンして、俺を待たないで。
【れもん】んもうぉ! じれったいなぁ! 姉さんの言うことが聞けないのぉ!?
キレんなよ。
【れもん】前は大人しく言うこと聞いてくれてたのに、一体どうしちゃったのよぉ・・。
前から十分いやがってた。 そう。 つまりは、ずっとこうなんです、この人。
異常なほどに溺愛気味。
それは、風呂において、俺の背中を流すのを切望するほど。
【れもん】ほらぁ、☆☆☆ちゃーん。
こうなると、もう無理だ。
さて、どう話題を変えたものか・・。
【 俺 】・・ん。
【れもん】んん〜?
【 俺 】そう言えば、何かいい匂いがするね。
【れもん】え、私・・?
【 俺 】そこ、顔を赤らめない。
【 俺 】れもん姉さんじゃなくて、ジューシーな食べ物の匂いがしないか?
【れもん】私は食べられないんだよ・・?(モジモジ)
【 俺 】あああああああ、もおおおおおおおおおおおおお!!
【 俺 】じゃなくて、香ばしい匂いなんだって! 肉の! キ○肉マンの肉の部分の!
【れもん】え? そうなの? 何の匂いかしら・・あ!
//SE:爆発音
【れもん】きゃあぁぁ!!
【 俺 】ど、どうしたどうした!? 何だこの煙!
【れもん】あらぁ・・忘れてた。
【 俺 】ね、姉さん・・何してたの!?
【れもん】お料理。
【 俺 】な、何でまた、そんな恐ろしいことを!
【れもん】今日はももこ姉さん遅いみたいだから、私が夕食を作ろうと思ったの。
【 俺 】そんな無茶な! うわケムッ!
【れもん】な、何よぉ! そんなに否定しないでよぉ! けほっけほっ!
【れもん】☆☆☆ちゃんの大好きなオムライスを作ってあげてたんだよぉ?
いつの頃の好物だ。
【 俺 】ってか、一体何が爆発したんだ・・。
【れもん】ゆで卵を作ろうと思って・・爆発したみたい。
【 俺 】何故!?
【れもん】ゆでるより、電子レンジにかけた方が早いと思って。
【 俺 】いや、それはヤバイ。
【れもん】そ、そうなの・・?
【 俺 】そうなのって・・はぁ。 料理出来ないのに、無理するから・・。
【 俺 】そもそも、オムライスにゆでたまごは必要ないだろ・・。
【れもん】や、やさしくない・・。 ☆☆☆ちゃんがやさしくない・・!
【れもん】前の☆☆☆ちゃんじゃないの・・? ひどいよぉ・・。
・・優しく、明るく、誰よりも『姉』としての存在感を感じさせる「れもん」姉さん。
その美しい佇まいに潜む唯一の弱点。 それが料理。
俺を含め全ての姉が言う言葉が「永久ディナーメイキングストップ!」
【れもん】ぐす・・。
【 俺 】ギク。
【れもん】オムライス・・食べてもらいたくて・・オムライス・・ぐす・・。
【 俺 】き、気持ちは嬉しいけど、無理はしない方が、さ。
【れもん】別に無理なんか・・ぐす。
【 俺 】あ、あとは俺がやっておくから。 姉さんは休んでて。
実は家事自体、普段は、俺とももちゃんの二人でやってたこと。
いや、やらされてたこと。
【れもん】姉さんが自分でやるぅ・・。
【 俺 】俺の方がうまくできるから。
【れもん】あううう・・ぐすん。
【 俺 】ぐは、きりがない。 一体どうしたら気分を持ち直してくれるんだ・・!
【れもん】・・・。
【れもん】じゃ、一緒にお風呂はいろ?
【 俺 】何でやねん!!!!


その2、その3(Hシーンに続く)