IQ190くらい。
けど、病弱。
小さい頃から。

ここには同年代があまりいない
いつもひとり。
相手をしてくれるのは看護婦さん、隣の人、大人の人。
それから・・侵入プログラムと同じ景色。
ちょっとつまらない。



ある日、ネットゲームを知り、遊び始める。
セブンウォリアーズオンライン「β版時代」
パソコン得意だけど、ゲームでのコミュニケーションなんてサッパリ。
それどころか、ログインした瞬間いきなり殺された。
私のキマイラ。
殺した相手はモンスターではなくプレイヤー。
少し悲しくなり、キマイラ、自分を殺した相手に訊ねる。

どうしてこんなことをするの?
――死んだ人たちの反応が面白いから。
何が面白いの?
――現実で出来ないこと。 でも、ゲームでは何でもできる。 人殺しだって。
あ、行っちゃった。

後に、キマイラ、何度もPKキャラに遭遇する。
けど、どうして?
の答えを返してくれる者は居なかった。

それから、ずっと遊んでるうちに「最初のPK」の気持ちがわかってきた。
敵を倒して廻るのだけじゃ面白くない。
みんなの反応が面白い。
でも、ゲームでは出来る。



そんな時「最初のPK」にまた会った。
誰かと闘ってた。
あ。
「最初のPK」負けそう。
と、思わず、キマイラ、最初のPKを殺そうとしていた相手に戦闘を仕掛ける。
「あれ、私、なんで?」
「あれ、私、結構闘える?」
相手も「PK」との戦闘で負傷してたから?
でもダメ。
キマイラは人を殺した事が無かったから。
プレイヤースキルが全然だめ。
操作する手が震えて全然だめ。
キマイラ、死んだ。
「最初のPK」も死んだ。
そしたら。
「どうして手出しするんだよ」って。
「最初のPK」が怒った。
あなたが死にそうだったからって言った。
「俺は覚悟は出来てるんだよ」
「1対1の戦いに手出すな。シラケるだろ、ばか」
また怒られ、PKの在り方を聞くことになった。
キマイラは知った。
「PK」のこと。
「PK」の信念。
存在意義。
人の殺し方。

教わったあと、最初にキマイラを殺した「PK」は
キマイラの最初で最後の、たった一人の仲間になった。
2人で旅を始めることになった。
人殺しの旅。
モンスター倒したり、ハッキングして遊ぶより、人殺しの方が断然面白い。
あれ。
2人だから?
どうなのかな。

でも、その仲間がある日、遠くへ行くと言った。
キマイラ、とてもしょんぼり。
結局どこに行くかは、最後まで教えてもらえなかった。
強いギルドに誘われた? リアル事情? β終了するから?
とか色々。



でも仲間は言った。
――俺の大切なものをあげる。
それは何処にでもあるペンダント。
一番大切? これが?

でも。
PKの志を忘れるな。
悪には悪の華があることを忘れるな。
気持ちを受け継ぐ。
そう言ってるように感じられた。

キマイラ、嬉しかった。
現実でも仮想でも、後にも先にも、初めてのプレゼント。
キマイラが受け継いだペンダント。
何の変哲も無いペンダント。
でも、初めての贈り物。
キマイラ、凄く嬉しい。
嬉しい。
けど。
さよなら。
初めてのお友達。




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